MCP(Microsoft Certified Professional)のPL系の資格を年末年始にかけてバーッと取ったので、それぞれの難易度や所感、勉強方法をメモ。
※2024年2月執筆の記事です。最新の情報はMicrosoft公式HPを確認してください。
MCP(Microsoft Certifications Program)とPL
MCP試験はMicrosoft社の製品の実践的スキルや技術的知識に関する世界共通の資格のことで、その中でもPL系の試験はPower Platformに関する試験。
今回受験したのはこの5つ。
- 2023/12/16 : PL-900 Microsoft Power Platform Fundamentals
- 2024/ 1/13 : PL-400 Microsoft Power Platform Developer
- 2024/ 1/27 : PL-600 Microsoft Power Platform Solution Architect
- 2024/ 2/ 3 : PL-200 Microsoft Power Platform Functional Consultant
- 2024/ 2/17 : PL-100 Microsoft Power Platform App Maker
全試験1000点満点で、700点取れば合格。
PL-900以外は1年で資格の期限が切れちゃうので、更新試験を受ける必要あり(無料)。
難易度
あくまで個人的な感覚だけど、難易度はこんな感じ。
PL-900 <= PL-100 < PL-200 < PL-400 <= PL600
ただ、点数は以下の通りだったので、人によって得手不得手あるかも。
PL-400 > PL-900 > PL-100 > PL-600 > PL-200
各試験の範囲と所感
PL-900 Microsoft Power Platform Fundamentals
PL系の資格で最も基礎的なのがこのPL-900で、勉強時間は大体10時間くらい。
Power Platformの基礎的な知識と、以下の各製品に関する問題が出題される。
- Power Apps(キャンバス, モデル駆動)
- Power Automate
- Power BI
- Power Virtual Agents(今はCopilot Studio)
- Power Pages
※Power AppsとPower Automate、Power BIが多め。
まずはここから受けて、基礎的な知識の復習をしつつ、その後の試験への勢いをつけるのがよいかと。
PL-400 Microsoft Power Platform Developer
続いて受けたのがPL-400で、勉強時間は大体15~20時間くらい。
Power Platformの設計や開発、テストやセキュリティなどについての試験で、内容はこんな感じ(分類は適当)。
- Dataverse:環境, ソリューション, Common Data Model, セキュリティロール, ビジネスルール など
- Dynamics365:Sales, Customer Service, Field Service など
- Power Apps:キャンバス, モデル駆動(フォーム, ビュー, コマンドバー), コンポーネントなど
- Power Pages : テンプレート, Webロール, Liquidなど
- フロー:ビジネスプロセスフロー, クラシックフロー など
- コード系:SDK, C#, JavaScript, プラグイン, PCF など
- Azure : Functions, Logic Apps
- その他:カスタムコネクタ, WebAPI など
ローコードで開発していると、あまり触らないところ(プラグインとかPCF, Webリソース(JavaScript) とか)も幅広く問題として出てくる印象。
自分はPL-900を除くとこの試験が一番点数が高かったので、元々コーディングやってた方はここから攻めるのもおすすめ。
PL-600 Microsoft Power Platform Solution Architect
3番目に受けたのがPL-600で、こちらも勉強時間は大体15~20時間くらい。
※ただ、前々週にPL-400を受験してるので、その分のブーストはかかっている状態。
Power Platformを使ったシステムの要件定義から設計、実装、テスト、運用やALM設計までの総合的な知識が必要で、内容は以下のような感じ(こちらも分類は適当)。
- 要件定義:機能要件, 非機能要件, 制限(アクション数とか)
- Dataverse:セキュリティ(ロール, 階層, 列レベルなど), チーム(所有者, アクセス) など
- セキュリティ:システムジョブ実行履歴, ログ, 監査, DLP など
- ALM : ソリューション, ツール(Power Platform CLI, コード生成ツール, Solution Packager, Package Dployer)など
- データ統合:仮想テーブル, カスタムコネクタ, データフロー, ゲートウェイ, 重複検出ルール など
- Power Apps : キャンバス, モデル駆動(Power BI統合, Outlook連携, SharePoint連携) など
- Power Automate : ポーリング/プッシュ, ビジネスプロセスフロー, Power Automate Desktop など
- Power BI:Power Query, 共有 など
- Dynamics365:Sales, Customer Service, Field Service など
- コード系:SDK, プラグイン, PCF など
- その他:AI Builder, Power Virtual Agents, Power Pages など
先に受けたPL-400の内容と被っているところも多かったし、後から受けたPL-200と被っているところも多かった。
※PL-400ほどコーディングに関する内容は出ない。
PL-200 Microsoft Power Platform Functional Consultant
個人的に最も苦手だったのがこのPL-200で、勉強時間は大体10時間~15時間ほど。
※こちらも前週にPL-600を受験してるので、その分のブーストあり
Power Platform製品に関する全体的な知識を問う試験のようで、内容はこんな感じ(分類は適当)。
- Dataverse:セキュリティ(ロール, 階層, 列レベルなど), 検索, 列プロパティなど
- Dynamics365:Sales, Customer Service, Field Service など
- Power Apps : キャンバス(Power Fx), モデル駆動(フォーム, ビュー, Outlook連携), Power BIとの連携 など
- Power Automate : ビジネスプロセスフロー, クラシックフロー, Power Automate Desktop(有人/無人) など
- Power Pages : テンプレート, Webロール, Liquidなど
- Power Virtual Agents : アプリ, エンティティ, トピック, 共有, 同義語, スマートマッチ, スロット充填 など
- Power BI : アラート, レポート, ダッシュボード など
- ALM : 環境、ソリューション, ツール(Solution Packager, Package Deployer)など
PL-900の内容が深くなったなー的な印象で、PL-400とかPL-600に比べて、Power BIとかPower Virtual Agentsとかを含めたPower Platform全体の知識が必要になるイメージ。
「難しい。。」ってわけじゃなかったけど、「業務のほとんどでPower AppsとかPower Automateを使ってる自分と相性悪いなー」と思ったし、その分点数が一番低かった。
PL-100 Microsoft Power Platform App Maker
Power Platformを使用したアプリ開発や課題解決に関する試験で、内容はこんな感じ(分類は適当)。
- Power Apps : キャンバス(Power Fx), モデル駆動(フォーム, ビュー)など
- Power Automate : ビジネスプロセスフロー, クラシックフロー, Power Automate Desktop(有人/無人) など
- Dataverse:セキュリティ(ロール, 階層, 列レベルなど)
- Power Virtual Agents : エンティティ, トピック, 共有 など
- Power BI : アラート, レポート, ダッシュボード など
- AI Builder : トレーニングの仕方、各モデル(感情分析、テキスト抽出)など
Power AppsとPower Automateについての問題が大体7~8割くらいで、Power BIが1割、残りがPower Virtual AgentsとAI Builderといったイメージ。
業務でPower AppsやPower Automateを使った開発を手掛けている方は知っている知識が多いと思うので、PL-900より受かりやすいかもしれない。
勉強方法
勉強方法は全試験通してこんな感じで実施。
- MS公式の受験対策セミナーを受ける(無料)
- 試験を申込むところの下にある、無料の[練習用評価]を受ける
- [練習用]評価で間違った問題のラーニングパスやマニュアルを熟読
- 各試験のページの下の方にある[準備する 2 つの方法]のラーニングパスの中で、知識が怪しいやつを読む
- (時間が許す限り)残りのラーニングパスに目を通す
普段からPower Platformをある程度触っていて、勉強の時間が取れるのであれば、有料セミナーとかは特にいらないかなと。
ちなみに受験対策セミナーの模範解答や、Webに無料で公開されているテスト問題の模範解答の中には「これほんとに正しい。。?」的な(解説もいまいち納得できない)解答もあったので、試験本番では自分が正しいと思う答えを選ぶと後悔しなくてよいかもしれない。
※僕の知識不足なだけで模範解答が正しい可能性も高いけど。
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