Dataverseアクセラレーターのインスタントプラグインを使うと、Power AutomateからPower Fxが使えたのでメモ。
※本機能は2025/4/1時点でプレビューです。
Dataverseアクセラレーターとローコードプラグイン、インスタントプラグイン
Dataverseアクセラレーターは、Dataverseに関する開発ツールを提供してくれるアプリケーション。


ローコードプラグインは、そんなDataverseアクセラレーターが用意してくれているツールの一つで、プラグインをPower Fxで構築することができる。
※プラグインはビジネスロジックをまとめて登録しておけるもの、と思ってもらえれば
そしてインスタントプラグインは、ローコードプラグインの一種で、「自動実行」ではなく「呼び出して実行」するタイプのプラグイン。
今回はそんなインスタントプラグインを使って、Power AutomateからPower Appsの関数(Power Fx)を使ってみる。
事前準備
事前準備として、環境にDataverseアクセラレーターをインストールする。
基本的な使い方
インスタントプラグインの作成
まずはインスタントプラグインを作成する。[新しいプラグイン]から[インスタントプラグイン]を選択。


プラグイン作成画面で、[表示名]と[引数]、[戻り値]と[式]を定義し、保存を押す。
※例として、正規表現を使って郵便番号をチェックする式を定義

※例として、正規表現を使って郵便番号をチェックする式を定義

任意で、[詳細オプション]から保存するソリューションや物理名を設定できる。


以上でプラグインの作成は完了。
Power Automateから呼び出す
Power Automateから呼び出す際は「バインドしていないアクションを実行する」を使う。


追加したら先ほど作成したプラグインを選んで、


引数を入力する。


フローを実行すると式の結果が返ってくる。


こんな感じでPower Automateからプラグイン経由でPower Fxを使うことが可能。
Power Automateから使えると便利な関数
Power AutomateからPower Fxの関数を使えると、色々便利になる。
正規表現:IsMatch, Match
まずは前述したIsMatch関数やMatch関数。
これまでPower Automateで正規表現を扱う場合は、Officeスクリプトとかを使っていたけど、IsMatch関数とかで簡単に記述できるようになるので便利。


計算:Sum, Average
続いてSum関数やAverage関数。
Power Automateにはこれらの関数がなかったはずなので、関数で簡単に求められるのはとても便利。
こんな感じでプラグインを定義して、
※プラグインでは配列は渡せないので、JSON文字列として渡して、ParseJSONで復元する。

※プラグインでは配列は渡せないので、JSON文字列として渡して、ParseJSONで復元する。

Power Automateから呼び出すと、


簡単に合計や平均が求められる。


四則演算
四則演算がきれいに書けるのも便利な点かと。
例えば「1 + 2 – 3 * 4」を書くだけでもPower Automateだと入れ子になって見にくかったけど、


プラグインで定義すると式が読みやすく、計算の意図が見えやすい。


もちろん結果は一緒。


日付差分:DateDiff
日付の差分を求めるDateDiffも便利。
Power AutomateにもdateDifference関数は導入されたけど、Power Fxの方が単位を指定できるし、関数の結果を扱いやすい。


Power Automateから使うとこんな感じ。




月末を求める:EOMonth
Power Automateでは計算で求めていた月末も、EOMonthを使えば簡単に求めることができる。


Power Automateから呼び出すとこんな感じ。




重複排除:Distinct
Power AutomateではUnion関数を使用していた重複排除も、Distinct関数で求めることができる。


Power Automateから呼び出すとこんな感じ。




Power Fx特有のプロパティ名に「Value」がついちゃうのが気になる場合は、「選択」アクションで配列にすることも可能。




テーブル操作:AddColumns, DropColumns, ShowColumns
列の追加や削除といったテーブル操作も可能。
例えばこんなテーブルがあるとして、


プラグインの中でAddColumnsを使えば、


列を追加することができる。


配列やコレクションはJSONでやり取りする必要があるのはちょっと面倒だけど、Power Fxの方が簡単に書ける式とかは、今後このプラグインを使うと便利かも(プレビューじゃなくなってから)。
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